よさこい祭りについて(詳細)

Yosakoi Picture 1998

知市では毎年8月9日から8月12日までの4日間、よさこい祭りが開催されています。よさこい祭り(よさこい鳴子踊り)は、「鳴子(なるこ)」を持った踊り子たちがよさこい節よさこい鳴子踊り)に合わせて市内各地の競演場・演舞場(日曜市で有名な追手筋をはじめ、中央公園、升形など)や帯屋町の繁華街を踊り歩く情熱的なお祭りです。

さこい祭りの衣装は伝統的な法被・着物から、現代的なコスチュームまで、バラエティに富んでいます。また、昔はいわゆる正調よさこい鳴子踊りが主流だったようですが、最近ではそれに加えてロック調、サンバ調、クラブ調あるいは演歌調など、各チームがアレンジしたさまざまな楽曲と振り付けが披露されます。

さこい祭りは、いわゆる5大要素と言われる「鳴子」「衣装」「楽曲」「振り付け」「地方車じかたしゃ」を見て聞いて感じる、楽しくも感動的な祭りに成長しました。県外の方も是非ご覧になり、また参加されることをお勧めします。

 

歴 史

 よさこい祭りは、第二次世界大戦後の不況を吹き飛ばそうと高知市の商工会議所が企画したのが始まり。1953年のことです。この時、「隣の徳島県で行われている阿波踊りに負けないお祭りにしよう」と皆さん色々考えました。まずは踊りの振り付けを日本舞踊(花柳、若柳、藤間、坂東、山村の日舞五流派)のお師匠さんに依頼。また、踊りのための作詞と作曲を高知市在住だった武政英策氏に依頼しました(「よさこい鳴子踊り」)。この時の武政氏のアイディアで、「隣の阿波踊りの素手に対抗してこちらは鳴子を使おう」という提案がよさこい祭りの基本アイテムの一つになっています。第1回よさこい祭りは翌1954年8月に開催されました。日取りは当時の気象データで過去40年間で最も晴天率が高かった(正確には「降水率が低かった」)10日、11日に決まりました。 この当時のよさこい祭りは伝統的な盆踊り風だったようです。

 その後毎年よさこい祭りは開催されてきましたが、1972年頃から雰囲気が変わり始めました。よさこい祭りにサンバ調やロック調の曲を採用して踊るチームが出現したのです。思えばよさこい祭りの産みの親の一人である武政英策氏が「よさこい鳴子踊り」の使用を一般に許したため、その曲を自由にアレンジして制作することができ、それに合わせて振り付けを考え、衣装を工夫し・・・という今のよさこい祭りの形態につながる要素が込められていたと言うわけです。新しいよさこい祭りの形態はあっという間に広がり、よさこい祭りのバリエーションを広げて行きました。また、最初の頃は「日当を払って踊り子をお願いする」状況だったものが、「お金(参加費)を払って参加する」という状況に変わって行きました。同時に、参加する踊り子の皆さんの多くが若者、また女性であるという現象を生みました。さらに、生バンドをトラックの荷台に載せて演奏しながら踊る形態も流行しました。野外ライブ+舞踊という他にはあまり例を見ない祭りに進化したのです。この踊り子を先導する車を地方車じかたしゃと呼ぶようになりました。地方車の装飾が派手になったのもその頃からです。
※地方車の名称は、花街かがいのお座敷で舞を踊る立方たちかたに対して伴奏をする地方が語源です。

 その後10数年は、逆に「音がうるさい」とか「街にゴミが氾濫する」などの指摘もなされてきましたが、それらの問題をひとつひとつ解決しつつ、現在に至っています。最近では、生バンドはほとんど見られなくなり、代わってPA(音響機器)を地方車に搭載して参加するチームが大勢になっています。また、楽曲も数年前から「和風回帰」現象が見られ、笛や太鼓、三味線の音色が好まれるようになりました。それに合わせて衣装も浴衣や着物を採用するチームも多くなっています。ただ、もちろん現在でもロックやサンバ風のチームもありますし、最近の流行でヒップホップ調にしたり、あるいは演歌、フラダンス、フラメンコなど、非常に多彩なバリエーションを見せています。よさこい祭りは常に進化を続けていると言っていいでしょう。

 ところで、8月10日と11日のよさこい祭り本番に加えて、1991年から前夜祭が、1995年から後夜祭が、1999年から全国大会が開催されるようになりました。前夜祭は前年受賞チームが演舞を披露し、よさこい祭りの開幕を告げるもの、後夜祭はその年の受賞チームが最後の演舞を披露する場となっています。また、全国大会はよさこい祭りをモデルとする祭りが全国に広がったことを受け、お互いの交流を深める目的で開催されています。

ルール

よさこい祭りは基本的なルールを守っていれば、色々なバリエーションを楽しめる祭りになっています。

各 賞

現在は以下の各賞が優秀チームに贈られます。

 なお、前夜祭には前年本番受賞チーム(地区競演場連合会地方車奨励賞を除く)と、出場枠が残っている場合に抽選で選ばれたチームが出場します。後夜祭にはその年の本番受賞チーム(地区競演場連合会地方車奨励賞を除く)が出場します。追手筋本部競演場における本番での審査基準は、(1)楽曲 (2)振り付け (3)鳴子を持って進行(鳴子の打ち方・鳴らし方を含む) (4)衣装(ファッション) (5)地方車 (6)総合評価の6項目で、各10点までの合計60点満点で計算されます。審査員は10名ですので、最高点は600点になります。

 また、各競演場のポイント加算制による地区競演場連合会奨励賞、地区競演場連合会地方車奨励賞があります。さらに、各競演場・演舞場で渡される個人賞もあります。個人賞には色々なバリエーションがあり、踊り子の皆様の励みになっているようです。ただし、一番の賞は観衆の皆様の声援でしょう・・・。

その他

 「正調よさこい鳴子踊り」(「正調」)というものがあります。これは、よさこい祭り発足当時の振り付けと音楽を踏襲しているもの。「高知市役所踊り子隊」や「北海道高知県人会&県庁正調クラブ」などのチームが採用しています。よさこい祭りは色々なバリエーションが楽しめるお祭りですが、同時に「正調」の良さも見直されています。

 前夜祭の開催される8月9日には、鏡川河畔で「高知市納涼花火大会」が同時に開催されます。約4,000発の花火を楽しむことができます。
※2003〜2008年の間は、花火大会が8月13日に開催されていました。

 第1回よさこい祭りに先立つ1950年、 南国高知産業大博覧会で「よさこい踊り」が披露されました。これがよさこい祭りの原点と言われています。

よさこい祭り当初は「地方」(じかた=楽曲の演奏者)、現在ではPA機器を載せて踊り子を先導する「地方車」(じかたしゃ)が楽曲を担当します。高知で明治以前に流行していた「花台」(はなだい)の記憶が地方車の発想につながったのかもしれません。

 よさこい祭りを主催しているのは「よさこい祭振興会」です。「よさこい祭振興会」は高知の行政、商工会議所、マスコミ、企業のトップにより構成されています。実際の運営は、高知商工会議所に設置した事務局が行っています。なお、現場の運営は各競演場・演舞場のスタッフの皆様により行われています。各競演場・演舞場によってその形態は異なりますが、これらの陰で支えて下さる方々を抜きにしてはよさこい祭りは成立しません。

 ちなみに、ですが、現在の気象統計で高知市で最も降水量が少ないのは8月上旬では5日と6日で、4日と7日が続きます。もし4日間の日程を気象条件だけで選ぶとしたら、8月4日〜7日ということになります。(日の平年値に基づく。過去30年−1981〜2010年−のデータ)




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